1970年代の話です。satake本店が今の場所に移るもっともっと前、元町本店での出来事です。その頃、野菜・果物・鮮魚はすべて対面形式の市場のような売り方をしていました。冷蔵庫もないようなところで「毎日売り切り」をモットーとした生鮮主体の商売でした。
レジはドライ部門のみ設けていて、もちろんバーコードなんかはなく、レジの担当が値段を覚えていてレジを打っていました。その他はすべて天井から吊り下げられたザルにお釣りが入っていて、その場で暗算してお釣りを返す、そんな商売の時代です。
そこに起きた“オイルショック”でした。トイレットペーパーや砂糖がなくなるという風評が日本中に起こり、スーパーや小売店の売り場にお客様が殺到して全国的に品切れが相次ぎました。当然当店でも砂糖は売り切れです。それどころか問屋さんにも全くない、注文しても納品されないという状況が続いていました。
そんな時、当店に業務用の砂糖が入荷しました。当時の社長(現会長)が、問屋さんではなく菓子・食品のメーカーさんにお願いをして卸していただいた砂糖だったのです。業務用の砂糖は20kgの袋入りでした。今では考えられませんが、食堂のお茶碗ですくって1kgずつ袋に小分けをしてお売りすることになったのです。
当然砂糖がない時期ですから、どんな値段をつけても飛ぶように売れたでしょう。しかし、社長はこうおっしゃったのです。「こんな時に儲けてはならない。お客様の足元を見るような商売はしてはいけない。すべて原価でお売りしなさい。」
従業員たちはかなり驚いたと思います。でもこの時に、困った時こそ地域のお客様に喜んでいただくことが、商売にとって何より大切なのだということを皆が学んだのではなかったでしょうか。お客様は長蛇の列をつくり、砂糖は飛ぶように売れました。
きっと仕入先様も「どうせ卸すなら佐竹食品に」「佐竹食品はこんな時に人の足元を見るような商売をする会社ではない」と分かっていたから、砂糖を卸してくださったのでしょう。そしてこのことは、佐竹食品と取引先様との信頼関係があったからこそ、また社長の人柄と信頼があったからこそできたことだと思います。
これは、お客様だけでなく、取引先様や全従業員にまで、佐竹食品の商売の真髄が伝わった瞬間でした。今でもそうですが、佐竹食品にあるのは「困った時こそ正直に、大変な時こそ相手の立場に立って行動する」という想い。これからもこの想いを忘れずに、お客様や取引先様に信頼される企業に、そしてそんな商売人のあふれる企業であり続けます。






























